「アサシン クリード」を購入、近年の大作映画よろしくに3部作を想定して作られたそうな。
美麗なグラフィックで描かれる1191年のエルサレム。彩度を抑えた淡い街並み、街の所々に落ちるドラマティックな陰影など中東の神秘的な雰囲気がよく再現されている。
軽くネタバレになるがアサクリは歴史物のようで実はSFだ、主人公はアニムスと呼ばれる特殊な装置で、自分の中にある”先祖の記憶”を呼び起こし、そこに自分を投影させる。物語の2重構造を明かしつつチュートリアルでプレイヤーを動的参加させる導入はお見事。
意味もなく飛び跳ねたり高いところによじ登ったりするだけで楽しかったりする。静止画じゃ伝わらないけどこのゲームはモーションも凄く滑らか、とにかくプレイヤーを動かすのが気持ちがいい。
人混みの中でジャンプしたり走り回ったり、いわゆる”ゲーム的な”振舞いをすると「あいつ何してんだ?」「ガキじゃあるまいし…」と街の人に言われたりする。街の中では演説する人、それを聴き入ってる人、屋台で買い物をする人、物をせがむ乞食(こいつは本当にうざい)がいたりして、人の生活感がよく描写されている。ちなみに建物には入れない(城や教団支部など入れるところもある)。
アサクリのプレイの大部分はターゲット暗殺のための情報収集(サブミッション)に費やされる、情報収集は尋問、市民救出、盗聴、スリなどで、どれも数分とかからない簡単なもの。情報収集の場所は右下のミニマップ(またはバックボタンで開く全体マップ)にアイコンとして表示されるのでプレイヤーがそこへ赴いて次々とミッションをこなしていく。ゲーム中これらを何度も何度も繰り返すので、かなりの作業プレイになってしまうのが辛いところ。
マップでミッションの場所を確認、ミッションの種類はアイコンで表示されるためとても分かりやすい。
ビューポイントと呼ばれる高台に上ると地形などを把握することができる。この広大な街の中をシームレスに走り回れるから驚き。
ビューポイント取得後は地面(にあるワラ)目掛けてコンドルダイブ!
「プリンス オブ ペルシャ」を製作したモントリオール・スタジオが手掛けただけあって戦闘はもろPOP風、カウンターやタイミングを重視したもっさり風戦闘は好みが分かれるところか。カウンター攻撃が強いのでタイミングさえ掴めれば数人に囲まれても比較的簡単に撃退出来てしまうので、戦闘の難易度はやや低めと言える。
ジャンルとしてはステルスゲームではあるが、あまり”ステルス”の部分は特化していないように思える。敵兵は街中にいるが目立つ行動を取らなければ視界に入っても気づかれることはあまりない。既存のステルスゲームのように敵に見つからないように身を潜めながら敵を討つ…という感覚ではなく(場面によってはそういうプレイも必要だが)、見つかったら群集やステルスポイント(ワラの中や屋上庭園など)に身を潜めて敵を撒く、という感覚が強い。
ワラはMGSで言うところのロッカーみたいなもの、街中のいたるところに設置されている。
教職者の集団に紛れることも可能、群衆に紛れて敵を撒くというのは近年のゲームにはない表現法だ。
・総評
プロデューサー曰く「テンポが早くてアクション要素の強いステルスゲームを目指した」とのことだが、前述のように敵数人に囲まれてもカウンターのタイミングさえ掴めれば安易に返り討ちにできてしまい、敵も簡単に撒くことが可能なので既存のステルスゲーを想定するとちょっと肩透かしを食うかもしれない、動的な要素を求められる箱庭ゲーと、身を潜めながら進む静的要素の多いステルスゲーの融合を狙った作品といえる。
ゲームとしては非常に丁寧な作りで、美麗なグラフィックと流れるようなモーションの美しさも手伝って、作業的になりがちな情報収集もさほど苦痛に感じなかった。
なんと言ってもアサクリの面白さは、自由奔放なゲームプレイに集約される。人ごみを掻き分けて進む、壁によじ登る、馬で走り回る、罪のない人々を攻撃する、むやみやたらに敵兵に戦闘をしかける、建物の上を跳び回る、高所から地面めがけてダイブする…など遊び方は十人十色。箱庭ゲーが好きな人にはぜひ一度プレイしてもらいたい良作だ。
ゲーム情報(PS3、Xbox360、Wii)などをメインに扱うブログです。相互リンクをして下さったサイト様、ありがとうございます。
【10/04/17追記】 ツイッターはじめました! http://twitter.com/Stanley5624

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